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特集
❶教育・心理検査の効果的な活用/学力向上に向けた教育・心理検査の活用
★児童生徒一人一人の学力向上を図る上では、PDCAサイクルの枠組みから教師の指導および児童生徒の学習を捉え、とくにCの局面(学力の現状と関連要因の把握)を強化していくことが重要である。
★そこでは、妥当性と信頼性の高い教育・心理検査が果たす役割は大きく、現在重視されている児童生徒による自己調整学習サイクルにおいても、有効に機能することが期待される。
❶教育・心理検査の効果的な活用/子どもたちが創る授業の創造-認知能力検査「NINO」を活用した学力向上策-
★宮崎県三股町立三股西小学校では、NINOの分析結果を活用し、「子どもたちが創る授業の創造」に取り組んでいる。思考力・判断力・表現力を育てるアクティブ・ラーニングと、知識・技能の習得を目指すアクティブ・トレーニングの両輪で、児童が主体的に学ぶ授業を実現し、その成果は全国学力・学習状況調査やNINOの結果にも数値として表れている。
❶教育・心理検査の効果的な活用/学び手を育てる授業スタンダード-学びのエンゲージメントテスト「ET」の活用-
★本校では、生徒に「学び方」を身に付けさせることを目指し、「鹿骨授業スタンダード(SJS)」を導入した。授業の構造を「本時の目標」「学習活動」「振り返り」の三要素で統一し、生徒が見通しをもって学習に取り組めるようにした結果、生徒アンケートで94%が「授業がわかりやすい」と回答し、学びのエンゲージメントテスト(ET)でも三年生が全国平均を上回るなど、主体的に学ぶ生徒が育っている。
❶教育・心理検査の効果的な活用/検査結果の効果的なフィードバック-子ども参加型のケース会議-
★本稿では、検査結果の効果的なフィードバックの在り方について、架空の事例に基づいて検討する。特別支援教育コーディネーターが中心となり、検査者・担任・保護者・本人を交えた「本人参加型ケース会議」を開催し、関係者間で子どもの得意な能力・苦手な能力を共有し、適切な支援策を協議することが重要である。ここまでを含めて「フィードバック」と捉えたい。これにより子どもは「自分の特性を理解してもらえ、支援を受けられる」と実感できる。
❶教育・心理検査の効果的な活用/非認知能力検査「S2」の紹介
❷不登校の子どもの学びの場/不登校の現状と「学びの場」
★不登校児童生徒数が過去最多を更新しつづけるなか、教育機会確保法、COCOLO プラン等により、学校内外の多様な学びの場の重要性が示され、不登校児童生徒の社会的自立をめざし、個々の状態に合わせた支援を行うことが求められている。①児童生徒の状態のアセスメント、②日頃からの学びの場との連携、③校内の教育相談体制の強化により、児童生徒が学びの場を活用できるように支援していくことが大切である。
❷不登校の子どもの学びの場/みんなが主役の学校-玖珠町立くす若草小中学校(学びの多様化学校)の歩み-
★2024年4月、大分県玖珠町に開校した「玖珠町立くす若草小中学校」(同年12月、「玖珠町立学びの多様化学校」より改名)は、登校時間や学習スタイルを柔軟にし、不登校経験のある子どもたちと共に、新設科目の「対話」「探究」「野遊び」に取り組んでいます。子どもたちが主体的に学び、自己肯定感を育み、自分らしく学校生活を送ることをめざしています。開校初年度は試行錯誤を繰り返しながら、子どもも大人も対話とつながりを重視した結果、出席率の向上や進路決定など、少しずつ成果を上げています。
❷不登校の子どもの学びの場/子どもたちが安心できる場所での支援-吉川市教育支援センターにおけるアウトリーチ支援事業-
★現在、不登校支援に対する考え方や取組みは整えられつつあるものの、不登校の子どもの中には支援とつながることがむずかしいケースもある。本稿では、不登校児童生徒に対する支援の一環として「アウトリーチ(訪問支援)」の手法を用いている埼玉県吉川市の支援事業の概要と支援活動の実際、支援がもたらしたものについて紹介し、今後の課題について考える。
❷不登校の子どもの学びの場/日本初の「信州型フリースクール認証制度」がめざすもの-当事者性の確保と行政の伴走による「共創」の実現-
★長野県は、不登校児童生徒等の多様な学びの場の確保・充実を図るため、県内のフリースクール等民間施設を認証し、財政支援等を実施する「信州型フリースクール認証制度」を、日本で初めて創設した。筆者は、同制度創設にあたり設置された会議の座長を務めた。本稿では、信州型フリースクール認証制度を設計する際に考慮したポイントを紹介する。
❷不登校の子どもの学びの場/「オンラインの学びの場」もあたりまえにするために
★不登校支援におけるオンライン空間のよりよい活用にあたっては、オンライン支援の土台となる情報環境が整うことが重要である。そのうえで、対象者像を明確にし、子どもの支援や空間づくり、保護者のサポートのあり方を構想していく必要がある。不登校支援はオンラインだけで完結するものではなく、手段やツールの一つとしてオンライン空間を捉え、連携も大切にしながら、自然と使えるものとなっていくことが望まれる。
連載
巻頭言/世界が生きるに値すると感じられるために | 東京家政大学教授 平山 祐一郎 |
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次期教育課程における学習評価の改善策はこれだ!(3)教師が悩む観点:「主体的に学習に取り組む態度」 | 教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸 |
言語技術としての「事実と意見の区別」(16)裁判員裁判を支える一般市民の献身-たとえ言い方は拙くても- | 神戸地方裁判所部総括判事 大西 直樹 文部科学省教科書調査官(体育) 渡辺哲司 |
協働学習が成り立つ学級集団づくり(4)学級集団の状態に応じた授業づくりの基本 | 早稲田大学教授 河村 茂雄 |
明日の教育を拓く-研究開発学校の挑戦(2)問いの面白さを見いだす過程を重視する探究活動-奈良県立畝傍高等学校- | 日本大学教授 山森 光陽 |
カリキュラム・マネジメント推進における校長のリーダーシップ(3)バランスあるカリキュラム開発を歴代校長がつなぐ | 甲南女子大学人間科学部教授 村川雅弘 |
資質・能力をはぐくむメタ認知の指導(3)教科の学びの中のメタ認知 | 大阪公立大学教授 岡本 真彦 |
熟達教師たちの「実践知」を語る(5)学びの見取りと生かし方 | 日本赤十字東北看護大学准教授 岩本宏幸 |
つなぐ・つながる支援(4)オランダのギフテッド教育 | ギフテッド教室に通う児童の保護者 マース栄子 |